专利摘要:
アルミナなどの耐火性材料に関するフリットとして使用するのに適したジルコニウムおよびアルミニウム含有ケイ酸塩ガラスであって、モルパーセント(モル%)で表して、2<B2O3<7モル%、75<SiO2<80モル%、3<Al2O3<5モル%、2<ZrO2<5モル%、9<Na2O+K2O<15モル%、0<アルカリ土類+ランタニド<15モル%、のガラス組成を有し、SiO2、Al2O3およびZrO2の総モルパーセントが82より大きいが86未満であり、B2O3、Na2O、K2O、アルカリ土類およびランタニドの総モルパーセントが13より大きく18未満であるケイ酸塩ガラスが開示されている。このガラスから構成されるフリット(200,600)、複合体(600)およびマイクロ流体デバイス(12)も開示されている。
公开号:JP2011505328A
申请号:JP2010536000
申请日:2008-11-25
公开日:2011-02-24
发明作者:ジェ マルク,ポーロ
申请人:コーニング インコーポレイテッド;
IPC主号:C03C8-24
专利说明:

[0001] 本出願は、2007年11月30日に出願された欧州特許出願第07301613.1号に優先権を主張するものである。]
技術分野

[0002] 本発明は、シール、釉薬を形成するのに適した、低軟化点(900℃未満)の化学的耐久性かつ耐結晶化性のガラス組成物、並びにアルミナおよび例えば、ステアタイトセラミック、モリブデン、タンタルおよびイットリウムなどの、類似の膨張特性を有する他の耐熱性材料と一緒になったガラス複合体および成形構造体にも関する。本発明はさらに、アルミナに適合し、かつアルミナから構成されたマイクロリアクタや他のマイクロ流体構成部材などの、アルミナ含有構成部材の製造に使用するのに適したそのようなガラス組成物からなるフリット、並びにそのようなガラス組成物を用いて形成された様々なタイプのマイクロ流体デバイスに関する。]
背景技術

[0003] 広く知られたマイクロ流体デバイス、特に、マイクロリアクタは、典型的に、数ミリメートルまたはミリメートル未満の寸法のチャンネルまたは通路において利用できる高い表面積対体積比を利用するように配置されたデバイスである。プロセス体積が減少するにつれて、伝熱率および物質移動速度は非常に大きくなり得る。用途は、非常に少量の試薬を使用する超並列生物スクリーニング、研究室での反応特徴付けおよび並列触媒スクリーニングから、化学物質生産までに及ぶ。特に、化学物質生産用途に有用なマイクロ流体デバイスについて、化学的耐久性、熱伝導能力および圧力抵抗または機械的堅牢性が、重要な属性となってきた。]
課題を解決するための手段

[0004] 本発明は、(1)粉末加工処理によって、信頼性があり、堅牢性である密封構造を製造でき;(2)アルミナセラミックと化学的に適合性であり(ガラスを不混和性にしたり失透させたりする反応を生じない)、熱加工処理中に、特にアルミナ粒子または構造に関して、良好な湿潤および流動特徴を有し;(3)一般に不活性であり、pHの両極端で幅広い範囲の腐食性環境に耐性を有し(ファインケミカルの合成のため);(4)製品の製造および使用温度範囲に亘りシール応力を低くするために、アルミナセラミックに適合する熱膨張特徴を有する;ガラス材料に関する。]
[0005] そのようなガラスの重要な用途は、図1A〜1Dの断面から分かるであろう。これの図面は、組み立てられている過程の1つのタイプのマイクロ流体デバイスの断面図である。] 図1A 図1B 図1C 図1D
[0006] 本出願の発明者等および/またはその同僚は、以前に、マイクロリアクタおよびマイクロリアクタを製造するプロセスを開発し、開示している。それらは、例えば、本出願の譲受人に譲渡された、「マイクロ流体デバイスおよびその製造」と題する米国特許第7007709号明細書に開示されている。開示されたプロセスの最も基本的な特徴が、本出願の図1A〜1Dを参照して分かるであろう。] 図1A 図1B 図1C 図1D
[0007] 図1Aにおいて、2枚の基板102および104が提供される。所望であれば、それより多くの基板を用いてもよい。それらの基板は、基板104を通る孔108などの、そこを貫通して形成された孔すなわち通路を有する。図1Bにおいて、各々の基板について1つずつの、フリット材料の2つの層が、基板上に配置されまたは堆積され、所望の形状に形成されている。フリット材料の層204は、基板104の表面304上に堆積されており、一方で、フリット材料の層202は、基板102の表面302上に堆積されている。層204は、薄く平らな層204aに堆積または形成されているのに対し、層202は、隆起したリッジまたは壁202bと薄く平らな層202aとの組合せに堆積または形成されている。図1Cにおいて、基板104はひっくり返され、それぞれのフリット層202,204が接触するように、基板102上に配置される。] 図1A 図1B 図1C
[0008] 次いで、層202,204は、基板102,104と共に、全体のアセンブリが一緒に接着するように、焼結されて、図1Dに示されるようなマイクロ流体デバイス12が得られる。ガラスフリットは、軟化し、流動するか、または少なくとも変形し、ある程度固結して、フリット層202,204が、図1Dに示されるように、緻密になり、一緒に固結される。] 図1D
[0009] その結果、焼結フリット200、第1の基板102、および第2の基板104を有してなるマイクロ流体デバイス12が得られ、焼結フリット200、第1の基板102および第2の基板104が一緒に接着されて、焼結フリット200が第1と第2の基板102,104の間に少なくとも1つの凹部250を画成しているワンピースデバイス12を形成している。]
[0010] 上述した米国特許第7007709号明細書に開示されているように、基板102,104は、「ガラス、ガラスセラミック、セラミック、金属、シリコンなどの半導体、および/またはそれらの組合せから選択される材料から製造してよい」。他の材料の基板の使用において、ある程度の進歩がなされてきたが、本出願の発明者等および同僚は、図1Dのデバイス12などのマイクロ流体デバイスを製造するために、主にガラス基板に頼ってきた。そのようなガラス材料の熱伝導率は、一般に、室温で0.9〜1.2W/m/Kの範囲にある。より高い熱伝達能力を達成するために、熱伝導率のより高い代わりの基板材料が一般に望ましい。利用できる様々なセラミック材料の中でも、アルファアルミナが、そのような基板が低コストで市販されており、アルミナは不活性であり化学攻撃に対して強力に耐性であり、空気中において高温で安定しているという両方の理由のために、魅力的である。] 図1D
[0011] アルミナのこれらの魅力的な属性にかかわらず、またセラミックの潜在的な使用の上述した特許における認識にもかかわらず、アルミナを使用したマイクロ流体デバイスをうまく形成することは難しい。これは、一部には、本発明までは、アルミナにCTEが良好に一致し、低い軟化点を有するガラスフリット組成物が、化学的攻撃に過剰に曝されおよび/または焼結の際に失透する傾向にあり、および/または焼結中にアルミナ粒子または構造を完全には湿潤させることができなかったためである。本発明は、概して、これらの欠陥を克服するものである。]
[0012] 本発明は、アルミナ構造または粒子を失透も脱濡れもなく、粘性流動により完全に緻密化できるガラス粉末を提供する。本発明のガラスは、多層ガラス構造を作製し、熱伝導性ガラス複合体を製造するためにうまく使用された。その上、本発明のガラスは、優れた耐薬品性であり、それぞれ、正規化テストDIN 12116およびISO 695の基準にしたがって、クラス1およびA1に格付けされている。]
[0013] 上述したように、本発明は、(1)粉末加工処理によって、信頼性があり、堅牢性である密封構造を製造でき;(2)アルミナセラミックと化学的に適合性であり(ガラスを不混和性にしたり失透させたりする反応を生じない)、熱加工処理中に、特にアルミナ粒子または構造に関して、良好な湿潤および流動特徴を有し;(3)一般に不活性であり、pHの両極端で幅広い範囲の腐食性環境に耐性を有し(ファインケミカルの合成のため);(4)製品の製造および使用温度範囲に亘りシール応力を低くするために、アルミナセラミックに適合する熱膨張特徴を有する;ガラス組成物に関する。]
[0014] これらの望ましい特徴は、アルミナなどの耐火性材料に関するフリットとして使用するのに適し、かつモルパーセント(モル%)で表して、
2<B2O3<7モル%、
75<SiO2<80モル%、
3<Al2O3<5モル%、
2<ZrO2<5モル%、
9<Na2O+K2O<15モル%、
0<アルカリ土類+ランタニド<15モル%、
のガラス組成を有し、SiO2、Al2O3およびZrO2の総モルパーセントが82より大きいが86未満であり、B2O3、Na2O、K2O、アルカリ土類およびランタニドの総モルパーセントが13より大きく18未満であるジルコニウムおよびアルミナ含有ケイ酸塩ガラスによって提供される。本発明は、この材料、並びにこれからまたはこれにより製造されたフリット、複合体、および流体デバイスに関する。]
[0015] 本発明の材料と併せて一般に有用な、酸化アルミニウム基板または粒子などの基板および/または粒子は、典型的に、50〜85×10-7/℃の範囲、好ましくは55から80×10-7/℃(300℃)の範囲のCTEを有し、本発明の材料は、これらの値に適合することが望ましく、ガラス材料は、熱膨張がわずかに小さく、そのようなガラスは、所望の範囲の使用温度中ずっとわずかに圧縮状態のままである。]
[0016] その上、本発明は、以下の組成:
1. B2O3=3.2±1.1モル%
SiO2=76.5±1.4モル%
Al2O3=3.1〜4モル%
ZrO2=2.9±0.8モル%
Na2O=14.4±0.5モル%
2. B2O3=3.2±0.3モル%
SiO2=76.5±0.7モル%
Al2O3=3.1〜3.4モル%
ZrO2=2.9±0.3モル%
Na2O=14.4±0.4モル%
3. B2O3=5.3±1.6モル%
SiO2=76.5±1.4モル%
Al2O3=3.1〜4モル%
ZrO2=2.9±0.8モル%
Na2O=12.3±2.6モル%
を有する、ガラス、およびそれから製造されたフリットに関する。]
[0017] 本発明によるガラス組成物は、結晶化する傾向がないかまたは非常に限られているという点で、フリットに使用するのに適している。さらに、本発明によるガラス組成物は、900℃未満の、望ましくは850℃未満の軟化点を有する。低い軟化点は、いくつかの理由のために極めて望ましい。軟化点がより低い材料は、加工するためのエネルギーをわずかしか必要としないという、環境上と経済的に重要な利点を提供する。さらに、850または900℃未満の軟化点を有する材料は、一般に、標準的な工業用加工設備を使用して、850〜950℃の範囲の温度で焼結できるのに対し、軟化点が高いと、典型的に、専用設備が必要である。さらにまた、軟化点が低いと、ガラス組成物が適合するであろう材料の範囲が広がる。何故ならば、最高加工温度と全体の加工温度範囲の両方とも減少し、潜在的に適合する材料にとって性能要件が低下するからである。さらにまた、900℃未満、望ましくはさらには850℃未満の軟化温度により、ガラス成分の過剰な拡散とその結果としてのアルミナとの反応を生じないように十分に低いが、ガラスとアルミナとの界面で良好な湿潤と非常に限られた拡散を提供するほど十分に高い焼結温度が可能になる。]
図面の簡単な説明

[0018] 図1A〜1Dは、組み立てられている過程のマイクロリアクタまたはマイクロ流体デバイスの断面図
リアクタ内の流体路の一般的な配置が矢印により示されている、押出モノリスのセル内に形成された、別のタイプのマイクロ流体デバイスまたはマイクロリアクタまたは「ミニリアクタ」の平面図、
リアクタ内の流体路の一般的な配置が矢印により示されている、図2のリアクタの斜視図
本発明の材料により形成されることが望ましい、栓の位置と機能が分かるであろう、図2および3に示されたタイプのデバイスの断面図
℃で表された温度の関数としての、表IのガラスI2と96%アルミナとの間のppmで表された熱膨張の不一致をプロットしたグラフ
ガラス基質によるアルミナ粒子の極めて良好な湿潤を示し、ガラス/粒子界面で100〜200μmの厚さの薄い拡散層を示す、本発明による複合体の研磨され、エッチングされたサンプルの顕微鏡写真] 図1A 図1B 図1C 図1D 図2
実施例

[0019] 発明の概要に記載されたように、図1A〜1Dは、非常に一般的な様式で、基板102と104の間に挟まれたフリットに基づく壁を有するマイクロ流体デバイスまたはマイクロリアクタの製造の基本工程を表している。図1に示された工程は、より複雑な構造体が得られるように、2枚の基板102および104だけでなくそれより多くの基板を含むことによる、または図1Cにおいて面する表面の両方にフリット壁を形成することによる、などの様々な様式で変更してもよい。単純かまたは複雑であるかにかかわらず、その結果得られたマイクロ流体デバイス12は、複合体600を形成する、充填剤が加えられた焼結されたフリットの形態にあってよい、焼結フリット200、第1の基板102および第2の基板104を備えた、その焼結されたフリット200、第1の基板102および第2の基板104は、互いに接着されて、焼結されたフリット200が第1と第2の基板102,104の間に少なくとも1つの凹部250を画成しているワンピースデバイス12を形成している。] 図1A 図1B 図1C 図1D
[0020] 図2〜4は、「ミニリアクタ」12と称されることもある、別のタイプのマイクロリアクタデバイス12を示している。図2〜4に示されたミニリアクタ12は、概して、押出体20内に形成される。押出体20は、共通方向に沿って延在する多数のセル22,24を有し、それらのいくつかは開いたセル22であり、それらのいくつかは閉じたセル24である。閉じたセル24は、多かれ少なかれ個々のまたは連続した栓または栓材料26により閉じられている。図示した実施の形態において、栓材料26は、その間に2つの開口30を有し、各々が入口/出口ポートとして働く。流体通路または流体路32は、別の1つまたはいくつかに沿うよりも、1つまたはいくつかの閉じたセル24に最初に沿ってしたがい、そして、図3に矢印により示されたように行ったり来たりする、蛇行路32の形態で閉じたセル24内に提供される。図2〜3のものに似た小さなデバイスの一部の詳細断面が、図4に示されている。栓または栓材料26が、通路の群を外部から閉じるのに用いられ、一方で、これらの群の間の壁が縮められて、流体が、略蛇行した流体路32に沿って流れることができる。] 図2 図3 図4
[0021] 図2〜4に示されたタイプのデバイス12において、押出体は、アルファアルミナ(酸化アルミニウム)から形成されることが有益であり、栓または栓材料26は、本発明のガラスの焼結フリット200、または図6に介して以下に記載される本発明の複合体600の形態をとることが都合よいであろう。] 図2 図3 図4 図6
[0022] 同様に、本発明によれば、図1A〜1Dに示されたタイプのマイクロリアクタの製造において、300℃で68×10-7/℃のCTEを有するCOORSTEK 96%(米国、コロラド州、ゴールデン所在のCoorsTek社)などのアルファアルミナから基板が製造されることが好ましい。したがって、本発明によれば、フリットを製造するのに用いられる所望のガラス材料は、熱膨張が中程度の材料であるべきである。標準的な工業設備での経済的な加工のために、ガラス材料は、900℃を超えない、望ましくは850℃を超えない軟化点を有するべきである。この材料は、完全な緻密化と良好な強度を確実にするために、高い耐結晶化性を有するべきであり、また酸とアルカリに対して、高ければ高いほどよい、高い耐薬品性を有すべきである。本発明によるジルコニウムおよびアルミナ含有ケイ酸塩ガラス組成物は、これらの基準を満たす。] 図1A 図1B 図1C 図1D
[0023] 本発明のガラスは、モルパーセント(モル%)で表して、
2<B2O3<7モル%、
75<SiO2<80モル%、
3<Al2O3<5モル%、
2<ZrO2<5モル%、
9<Na2O+K2O<15モル%、
0<アルカリ土類+ランタニド<15モル%、
の組成を有する。本発明のガラスは、82より大きいが86未満である、SiO2、Al2O3およびZrO2の総モルパーセント、および13より大きく18未満である、B2O3、Na2O、K2O、アルカリ土類およびランタニドの総モルパーセントをさらに有する。本発明は、この材料、および複合体を含むフリット、並びにそれから製造された流体デバイスに関する。]
[0024] 本発明に記載されたガラス材料は、シリカ、ホウ酸、か焼アルミナ、ジルコン、およびアルカリ炭酸塩から調製した。混合後、失透性混合物を白金−ロジウム製坩堝に入れて6時間に亘り1650℃で誘導電気炉内で溶融した。次いで、溶融したガラスを水中で急冷し、アルミナ製ボールミルを利用して、乾燥条件下で粉砕した。次いで、ボールミル粉砕した粉末を篩い分けし(<125μm)、d10=8μm、;d50=71μm;およびd90=185μmの粒径分布を生成し、アルミナ基板上で粉末を加圧するかまたはフリットペーストを成形することによって、篩い分けした粉末からサンプルを調製した。次いで、これらのサンプルを1時間に亘り900℃で加熱した。]
[0025] バルクガラスの耐結晶化性を、軟化点での48時間に亘る研磨済みバルクサンプルの熱処理によりテストし、その後、手動検査および評点付けを行った。]
[0026] 熱膨張は、TMA(熱機械分析)により測定した。熱膨張は、冷却後の校正したビレーム・クーポン(bilame coupons)の曲率の程度と符号にしたがって調節した。シール応力は、光弾性技法によって、室温と高温で調査した。]
[0027] ガラスの軟化点は、Labino法により測定した。生データに+25℃の補正を行って、表Iの値を得た。これらの値は、軟化点の真の値を表す(繊維伸長により確認した)。6個の比較ガラスC1〜C6および本発明のガラスI1とI2のデータが示されている。]
[0028] 化学的耐久性は、ISO 12116(酸)、およびISO 695(アルカリ)にしたがって、酸またはアルカリ媒質中に浸漬したサンプルの損失質量を測定することによって決定した。]
[0029] 本発明のガラスは、優れた化学的耐久性を有する。そのガラスは、DIN 12116のテストで損失が10mg/dm2未満の酸耐久性を有することが望ましく、損失が1mg/dm2未満であることがより望ましい。さらにこれらのガラスが、ISO 695のテストで損失が100mg/dm2未満のアルカリ耐久性を有することが望ましい、損失が30mg/dm2未満であることがより望ましい。表IのガラスI2の性能は、実際に、<0.1mg/dm2で、パイレックス(登録商標)7740の酸耐久性と等しく、27mg/dm2でそのアルカリ耐久性(110mg/dm2である)を十分に超えている。組成中の酸化ナトリウムが多量に存在することを除いて、本発明のガラスは、優れた耐酸性(クラス1)および意外なほど並外れた耐アルカリ性(クラスA1)を維持する。]
[0030] ガラス組成中にアルミナと著しいレベルのジルコニア(Si+Al+Zr>82%)の存在と共に高レベルのシリカが、おそらく、そのような突出した性能の原因である。酸化ジルコニウムが、酸耐久性を著しく犠牲にせずに、ケイ酸塩における良好な塩基耐久性を与えると認識されている。ガラスの耐アルカリ性の減少が、酸化ジルコニウムが存在しない比較組成C6で分かる。]
[0031] 高レベルの耐火性酸化物により、典型的な工業設備においてガラスを溶融するのが不可能になり得る。したがって、十分なレベルの融剤成分の存在が、ガラスの良好な溶融性を確実にし、粘度を許容レベルに維持する(すなわち、軟化点を900℃未満、望ましくは850℃未満に維持する)ために、望ましい。この要件を満たすために、ホウ素、ナトリウムおよびカリウムの合成が13%より多いべきである。しかしながら、過剰な量(18%を超える)では、ガラスの耐久性が損なわれてしまう。さらに、比較例C4と比較例C5との比較から分かるように、ジルコニウムの一部をアルミニウムにより置き換えた場合、ガラス粘度の相当な(望ましい)減少が観察された。アルカリ土類および/またはランタニド元素も、それらの合計が15%を超えないという条件で、ガラスの粘度を低下させるために都合よく導入してもよい。]
[0032] 他のガラス特性を変えずに、本発明のガラスの熱膨張は、一般に、ナトリウムとホウ素の含有量を変えることによって、調節できる。ガラスの耐久性を確保するために、高レベルのシリカ(75%を超える)が必要であるが、そのようなレベルでのシリカにより熱膨張が許容できないほど低下してしまうので、シリカは80%を超えるべきではない。現在好ましいガラス組成I2のCTEは、室温で約50ppmしかずれておらず、使用したアルミナセラミック(COORSTEK 96%)のものと実質的に完全に一致している。温度に亘る動的不一致を、突合せシールについて記録した。ppmで表された結果が、℃で表された温度の関数として図5にグラフ化されている。加熱中の曲線は黒の菱形502でプロットされており、一方で、冷却中の曲線は白の正方形504でプロットされている。] 図5
[0033] 本発明のガラスのフリットをアルミナ粒子と混合して、熱伝導性ガラス複合体を形成することができる。混合されたアルミナ粉末の焼成中、ガラス基質は、アルミナ粒子の表面を適切に濡らす。界面抵抗の低いガラス複合体を製造するために、このことは重要な特徴である。ガラス/粒子界面に100〜200nmの薄い拡散層が実際に形成される。この拡散層は、希釈したフッ化水素酸溶液によって研磨サンプルをエッチングした後の顕微鏡写真に観察されるであろう。図6は、本発明の複合体600のそのようなエッチングされた研磨サンプルのコントラストが強調された顕微鏡写真である。アルミナ602の粒子が、ガラス基質604中に十分に埋め込まれているのが見える。粒子602がガラスによって十分に濡らされていることが、粒子602と基質604との間の拡散層606の極度の均一性(厚さ)および極度の薄さから分かるであろう。] 図6
[0034] 図6の顕微鏡写真に示されたもののような充填ガラス複合体を製造し、2.2W/m・Kの熱伝導率が測定された。この複合体について、ガラスフリットに30体積%のアルミナ粒子(150メッシュ)を加えた。そのような充填フリットにより製造したアルミナ製マイクロリアクタの全体の熱伝達率は、約700W/m2・Kから約1400W/m2・Kまで、同等のガラスデバイス構成部材と比較して2倍に増加した。本発明は、そのような複合体、および本発明のガラスまたは複合体から構成されたマイクロ流体デバイスにも関する。] 図6
[0035] 本発明を、限られた数の実施の形態に関して記載してきたが、この開示の恩恵を受けた当業者には、ここに開示された本発明の範囲から逸脱しない他の実施の形態も考えられることが認識されよう。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ制限されるべきである。]
[0036] 12マイクロ流体デバイス
20押出体
22,24セル
26栓材料
30 開口
102,104基板
200焼結フリット
602粒子
604基質
606 拡散層]
权利要求:

請求項1
耐火性材料使用するための耐結晶化性のジルコニウムおよびアルミナ含有ケイ酸塩ガラスフリットであって、該フリットのガラスが、モルパーセント(モル%)で表して、2<B2O3<7モル%、75<SiO2<80モル%、3<Al2O3<5モル%、2<ZrO2<5モル%、9<Na2O+K2O<15モル%、0<アルカリ土類+ランタニド<15モル%、の組成を有し、SiO2、Al2O3およびZrO2の総モルパーセントが82より大きいが86未満であり、B2O3、Na2O、K2O、アルカリ土類およびランタニドの総モルパーセントが13より大きく18未満であることを特徴とするフリット。
請求項2
前記ガラスが、B2O3=3.2±1.1モル%SiO2=76.5±1.4モル%Al2O3=3.1〜4モル%ZrO2=2.9±0.8モル%Na2O=14.4±0.5モル%を含むことを特徴とする請求項1記載のフリット。
請求項3
前記ガラスが、B2O3=3.2±0.3モル%SiO2=76.5±0.7モル%Al2O3=3.1〜3.4モル%ZrO2=2.9±0.3モル%Na2O=14.4±0.4モル%を含むことを特徴とする請求項1記載のフリット。
請求項4
アルファアルミナ粒子および請求項1記載のフリットを有してなる複合体材料であって、前記フリットが焼結され、前記粒子が該焼結されたフリット内に埋め込まれていることを特徴とする複合材料(600)。
請求項5
前記フリットが形成されるケイ酸塩ガラスが、DIN12116の耐酸性テストで1mg/dm2未満しか損失せず、ISO695耐塩基性テストで30mg/dm2未満しか損失しないことを特徴とする請求項1記載の複合材料(600)。
請求項6
焼結フリット(200,600)、第1の基板(102)および第2の基板(104)を備えたマイクロ流体デバイス(12)であって、前記焼結フリット(200,600)、前記第1の基板(102)および前記第2の基板(104)が互いに接着して、該焼結フリット(200,600)が該第1と第2の基板(102,104)の間に少なくとも1つの凹部(250)を画成しているワンピースデバイス(12)を形成しており、前記焼結フリット(200,600)が、モルパーセント(モル%)で表して、2<B2O3<7モル%、75<SiO2<80モル%、3<Al2O3<5モル%、2<ZrO2<5モル%、9<Na2O+K2O<15モル%、0<アルカリ土類+ランタニド<15モル%、の組成を有する耐結晶化性のジルコニウムおよびアルミナ含有ケイ酸塩ガラスから構成され、SiO2、Al2O3およびZrO2の総モルパーセントが82より大きいが86未満であり、B2O3、Na2O、K2O、アルカリ土類およびランタニドの総モルパーセントが13より大きく18未満であることを特徴とするマイクロ流体デバイス(12)。
請求項7
前記第1の基板(102)がアルファアルミナから構成されることを特徴とする請求項6記載のマイクロ流体デバイス(12)。
請求項8
前記焼結フリット(200,600)が、アルファアルミナ粒子をさらに含むことを特徴とする請求項6記載のマイクロ流体デバイス(12)。
請求項9
その中の共通方向に沿ってセル(22,24)が延在する押出体(20)を備えたマイクロ流体デバイス(12)であって、前記押出体(20)が、該押出体(20)のセル(24)の選択されたものを閉じる栓材料(26)によって、一部がその中に画成された流体路(32)を有し、該栓材料(26)が焼結フリット(200,600)から構成され、該フリット(200,600)が、モルパーセント(モル%)で表して、2<B2O3<7モル%、75<SiO2<80モル%、3<Al2O3<5モル%、2<ZrO2<5モル%、9<Na2O+K2O<15モル%、0<アルカリ土類+ランタニド<15モル%、を有する耐結晶化性のジルコニウムおよびアルミナ含有ケイ酸塩ガラスから構成され、SiO2、Al2O3およびZrO2の総モルパーセントが82より大きいが86未満であり、B2O3、Na2O、K2O、アルカリ土類およびランタニドの総モルパーセントが13より大きく18未満であることを特徴とするマイクロ流体デバイス(12)。
請求項10
前記押出体(20)がアルファアルミナから構成されることを特徴とする請求項9記載のマイクロ流体デバイス(12)。
类似技术:
公开号 | 公开日 | 专利标题
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同族专利:
公开号 | 公开日
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CN101952214A|2011-01-19|
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KR20100099212A|2010-09-10|
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EP2065347A1|2009-06-03|
AU2008330085A1|2009-06-04|
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RU2010126602A|2012-01-10|
MX2010005958A|2010-08-11|
US20090139590A1|2009-06-04|
CA2706942A1|2009-06-04|
引用文献:
公开号 | 申请日 | 公开日 | 申请人 | 专利标题
法律状态:
2012-02-07| A300| Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20120207 |
优先权:
申请号 | 申请日 | 专利标题
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